某製薬会社のサプリで健康被害が続出しているとのニュースを見ながら、健康について考えさせられました。サプリは栄養補助食品などが主流ですが、本来、食事から摂取するものです。日常の食事をしっかりとバランスよく摂っていればサプリなどは不要ではないかといつも思っています。健康のために健康を害す、本末転倒のような気がします。
さて、今回は、職場での人間関係についてお話しします。ここで、職場とは何か?について考えてみましょう。職場とは、「事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば職場に該当する」と定義されます。つまり物理的な働く場所は全て職場であるということです。例えば、会社主催の懇親会を飲食店で行い、参加は任意であれば勿論業務をしているわけではないので、その場は職場ではありません。しかし、懇親会の参加が義務付けられており、その懇親会を運営する側であったならば、その時間は業務を行っている時間ですから、懇親会の場が職場に該当します。我々は、職場と言うと通常、会社内を想定しますが、このように社外においても、又、外形上業務ではないとしても、内容如何によっては業務を行う職場とされることがあります。では、人間関係について考えるときに、職場ではないからと言って人間関係を良好に構築維持する努力をしなくてもいのでしょうか?そうではありませんよね。同じ職場で働く上司や同僚、部下という関係がある限り、たとえ職場を離れていたとしても、「職場の人間関係」は維持されているわけですから、良好な人間関係を構築維持する必要があります。
職場の人間関係の基本を成すのは、上司や同僚、部下との指揮命令、指導教育、報連相など業務に必要なコミュニケーションです。他にも、日常会話など業務とは関係のないコミュニケーションもあります。コミュニケーションにおいて意思の疎通がうまくできない場合には、不幸な結果となることが往々にしてあります。例えば、上司が部下に対して、厳しく指導をしたとします。上司の内心では、部下を高く評価しており、成長を促すために厳しい指導も部下のためと思っているかもしれません。これに対し、指導を受けた部下は、上司は自分のことを嫌っているのではないかと猜疑します。この行き違いが解消されなければ、その後の人間関係は破綻し、悪化の一途をたどるのみです。何故このようなことが起こるのでしょうか?通常、意思の疎通がうまくいかない原因は、情報の不足であると言われています。厳しい指導がなぜ必要であるのか、なぜ厳しく指導するのかを部下に対して丁寧に説明することが欠けているために、部下は正確に上司の意図をくみ取ることができないのです。又、コミュニケーションの不足も人間関係を悪化させる原因となります。趣味や家族のことなど日常会話を通して相互に理解し合うようなコミュニケーションを取ることで、人間関係を良好なものとしていく必要もあります。業務に必要なコミュニケーションだけでは、相手の心に触れることができず、必要最低限の人間関係しか構築できません。
一対一の関係だけではなく、職場全体の雰囲気も人間関係に影響を与えます。気楽に何でも話せる職場環境であれば、コミュニケーションを頻繁に取ることが可能です。しかし、プライベートのことなどを話しづらい職場にあっては、人間関係の深耕を図ることは容易ではありません。このようなことから人間関係は当事者がそれぞれにコミュニケーションを取りやすい環境を作ること、必要な情報を適切に伝えること、相互理解を深めるような情報を提供することなどが重要となります。
人間関係は、些細なことから破綻することがあります。何気ない言葉や態度により距離を感じてしまう、何となく話しづらくなるなど、コミュニケーションがとりにくくなることがあります。そっけない態度を取ったり、相手を否定するような言葉を使ったり。意図的にそのようにしている訳ではなくとも、つい、そのようにしてしまうことがあります。自分の精神状態が不安定なときや多忙で周りに気を配れないとき等がそうではないでしょうか。亜一手を思いやる気持ちを持つことが重要ですが、特別な感情を持たなくとも、職場の仲間であることを常に意識して適切に対応することを心掛ける必要があります。